【中学数学】食塩水の濃度の問題の解き方!とにかく食塩の重さを押さえよう!
難しいよね、食塩水の濃度って
中学1年生の娘の勉強を見てたら、下のような問題がありました。
(問1)
4%の食塩水500gに10%の食塩水を混ぜて、6%の食塩水をつくりたい。
10%の食塩水を何g混ぜればよいか。
(問2)
4%の食塩水300gに食塩を混ぜて10%の食塩水をつくりたい。
何gの食塩を混ぜればよいか。
(問3)
8%の食塩水が500gあります。
この食塩水を何gまで煮詰めると、濃度は10%になりますか。
こんな問題ありましたね。
食塩水の濃度問題です。
そもそも誰しも割合って苦手です。
また公式なんかが出てきたりして丸暗記しようとして余計に混乱してしまいがちです。
食塩水の濃度の問題のコツはただ1点。
食塩の重さを押さえる
これだけです。
では、食塩の重さを知るためにはどうすればいいか。
これを軸に考えます。
順番に解説していきます。
食塩水の中の食塩の重さを知るための3つのポイント
食塩水の中の食塩の重さを知るために押さえておくべきポイントは3つあります。
ひとつめ。
食塩水(全体)の重さ=食塩の重さ+水の重さ
例えば、食塩10gと水190gを混ぜれば、200gの食塩水ができあがります。
当たり前じゃないか、と思えたらOKです。
でもこの当たり前が大事です。
ふたつめ。
濃度=食塩の重さ ÷ 食塩水(全体)の重さ
食塩水の濃度って何だ?ってところです。
食塩水の濃度とは、食塩水全体の重さのうちどれだけの重さの食塩が入っているかです。
さきほどの例では、
- 食塩 10g
- 水 190g
これらを混ぜて
- 食塩水(全体)200g
を作りました。
ここで水の重さは無視します。
- 食塩 10g
- 食塩水(全体)200g
この2つだけ考えます。
すると
10 ÷ 200 = 0.05
よってこの食塩水の濃度は5%ということになります。
みっつめ。
食塩の重さ=食塩水(全体)の重さ × 濃度
これは先ほどの逆のことをしているだけです。
食塩水(全体)の重さと濃度から、その中に入っている食塩の重さを割り出そうという試みです。
例えば、下の場合を考えてみましょう。
- 食塩水(全体)200g
- 濃度5%
単純に食塩水(全体)に濃度をかけるだけでいいです。
200 × 0.05 = 10
ということで、食塩が10g入っていることがわかります。
実際に問題を解いてみよう!
(問1)
4%の食塩水500gに10%の食塩水を混ぜて、6%の食塩水をつくりたい。
10%の食塩水を何g混ぜればよいか。
冒頭の問題の問1です。
いくつかのステップに分けて進めましょう。
- 4%の食塩水500gのうち食塩は何gか求める
- 何をxと置けばいいか考える
- 3種類の濃度の食塩水(4%、10%、6%)のうち食塩が何gになるか表にまとめる
- xを求める
順番に計算していきましょう。
4%の食塩水500gのうち食塩は何gか求める
先ほど説明したとおり食塩水の重さに濃度をかけるだけですね。
食塩の重さ=食塩水(全体)の重さ × 濃度
食塩の重さ=500 × 0.04 =20
食塩の重さは20gですね。
何をxと置けばいいか考える
何かをxと置きます。
何をxと置けばいいでしょうか?
問題が
10%の食塩水を何g混ぜればよいか。
となってますので、知りたいのは10%の食塩水の重さです。
単純にこの問題の答えとなる「何g」をxと置きましょう。
3種類の濃度の食塩水(4%、10%、6%)のうち食塩が何gになるか表にまとめる
いま、10%の食塩水の重さをxと置きましたので、これを活用して下のような表を作ります。
食塩水(全体) | 食塩 | |
4% | 500 | 20 |
10% | x | 0.1x |
6% | 500+x | 20+0.1x |
1番上の行が、元の食塩水。
2行目が、混ぜる(追加する)食塩水。
3行目が、その結果できる食塩水です。
4%の食塩水
食塩水(全体)と食塩、水の重さは先ほど説明したとおりです。
10%の食塩水
食塩水(全体)の重さは、こちらでxと置きました。
食塩の重さは、食塩水(全体)の重さの10%なので、0.1xになります。
6%の食塩水
食塩水(全体)の重さは、4%の食塩水と10%の食塩水を足したものなので、500+xになっています。
食塩の重さについても、4%と10%を足すだけでいいです。
いずれも表を縦に足しただけですね。
難しく考える必要ないですね。
xを求める
ではxを求めましょう。
どうすればxが求まるでしょうか?
表の6%のところに注目してください。
- 食塩水(全体) 500+x
- 食塩 20+0.1x
この両者が6%の関係になっていればいいのです。
というわけで
食塩の重さ=食塩水(全体)の重さ × 濃度
この式に当てはめると
20+0.1x=(500+x)×0.06
これを解きます。
20+0.1x=30+0.06x
0.04x=10
x=250
というわけで、10%の食塩水(全体)の重さが250gと算出できました。
検算
一応検算してみましょう。
- 食塩水(全体) 500+x
- 食塩 20+0.1x
先ほどでてきたこちらの2式のxに250を代入します。
- 食塩水(全体) 500+250=750
- 食塩 20+0.1×250=20+25=45
算出された数字から濃度を計算しましょう。
濃度=食塩÷食塩水(全体)
濃度=45÷750=0.06
ということでちゃんと6%の食塩水になることが確認できました。
次に問2を解いてみよう!
(問2)
4%の食塩水300gに食塩を混ぜて10%の食塩水をつくりたい。
何gの食塩を混ぜればよいか。
問1との違いは、食塩水に食塩水を混ぜるのではなく、食塩を混ぜるという点ですね。
さっそく表を作ってみましょう。
食塩水(全体) | 食塩 | 水 | |
4% | 300 | 12 | 288 |
食塩(100%) | x | x | 0 |
10% | 300+x | 12+x | 288 |
1番上の行が、元の食塩水。
2行目が、混ぜる(追加する)食塩。濃度は100%としています。
3行目が、その結果できる食塩水です。
先ほどと大体同じですが、理解を促すために一番右側に「水」という欄をこしらえました。
4%の食塩水
食塩の重さ=食塩水(全体)の重さ × 濃度
なので、
食塩の重さ=300 × 0.04=12
と計算できます。
水の重さは、全体から食塩の重さを引いて、
水の重さ=300 - 12=288
とわかります。
食塩(100%)
問題が
何gの食塩を混ぜればよいか。
となってますので、この問題の答えとなる食塩の重さをxと置きます。
食塩には水は一切入ってませんので、水は0です。
全体の重さは、
全体の重さ=食塩の重さ+水の重さ
で、水の重さが0なので、
全体の重さ=x+0=x
になります。
10%の食塩水
先ほどの表と同じく表を縦に足していきます。
すると
- 食塩水(全体) 300+x
- 食塩 12+x
になります。
この両者が10%の関係になればいいのです。
というわけで
食塩の重さ=食塩水(全体)の重さ × 濃度
この式に当てはめると
12+x=(300+x)×0.1
12+x=30+0.1x
0.9x=18
x=20
よって、求めるべき食塩の重さが20gとわかります。
検算
こちらも検算しましょう。
- 食塩水(全体) 300+x
- 食塩 12+x
こちらの2式のxに20を代入します。
- 食塩水(全体) 300+20=320
- 食塩 12+20=32
濃度を計算します。
濃度=食塩÷食塩水(全体)
濃度=32÷320=0.1
濃度が10%ということが確認できました。
オッケーですね。
最後に問3を解こう!
(問3)
8%の食塩水が500gあります。
この食塩水を何gまで煮詰めると、濃度は10%になりますか。
最後にこの問題解いて終わりましょう。
問1・問2との違いは、「煮詰める」ですね。
「煮詰める」というのはどういうことかと言うと、水を蒸発させるということですね。
つまり食塩水から水だけ減らすということです。
さっそく表を作りましょう
食塩水(全体) | 食塩 | 水 | |
8% | 500 | 40 | 460 |
蒸発した水 | ??? |
0 |
??? |
10% | x | 40 | x - 40 |
1番上の行が、元の食塩水。
2行目が、蒸発した水の欄ですが、実はこの問題は水が何g蒸発したかを求めなくても解けます。
なので「???」としています。
3行目が、その結果できる食塩水です。
8%の食塩水
同じパターンですね。
食塩の重さを求めます。
食塩の重さ=食塩水(全体)の重さ × 濃度
なので、
食塩の重さ=500 × 0.08=40
と計算できます。
水の重さは、全体から食塩の重さを引いて、
水の重さ=500 - 40=460
です。
蒸発した水
蒸発した水の重さは求めなくてもこの問題は解けますので、表の中では「???」としています。
それよりも重要なことは、食塩は増えも減りもしないということです。
表では「0」で示しています。
10%の食塩水
問題が
この食塩水を何gまで煮詰めると、濃度は10%になりますか。
となってますので、この問題の答えとなる10%の食塩水(全体)の重さをxと置きます。
先ほどの表と同じく表を縦に足していきます。
すると
- 食塩水(全体) x
- 食塩 40
になります。
食塩が40gで、濃度が10%になればいいです。
できる人はもう暗算でもできるかもしれませんが、
食塩の重さ=食塩水(全体)の重さ × 濃度
この式に当てはめると
40=0.1x
x=400
よって、求めるべき食塩水(全体)の重さは400gとわかります。
表を完成させるとするとこうなります。
食塩水(全体) | 食塩 | 水 | |
8% | 500 | 40 | 460 |
蒸発した水 | - 100 |
0 |
- 100 |
10% | 400 | 40 | 360 |
蒸発した水の重さをマイナスで表記しています。
まとめ
まとめ行きましょう。
食塩水の濃度の問題のコツはただ1点。
食塩の重さを押さえる
これだけです。
そのために必要なポイントが3つありました。
- 食塩水(全体)の重さ=食塩の重さ+水の重さ
- 濃度=食塩の重さ ÷ 食塩水(全体)の重さ
- 食塩の重さ=食塩水(全体)の重さ × 濃度
1.は当たり前のことを言ってます。
2.と3.は同じことを別の言い方をしているだけです。
具体例を用いて、食塩の重さを軸に問題を解いていきました。
きちんと段階を踏んで表に整理すればそんなに悩まなずに解けると思います。
それでは終わります。
最後までご覧いただきありがとうございました。