仕事好きな人って迷惑じゃないですか?
仕事好きな人は仕事を増やす
私のような仕事の嫌いな人間からすると仕事好きな人って迷惑なんですよ。
仕事好きな人って仕事増やすでしょ?
仕事が好きだから。
自分で増やして自分でやる分にはいいんですよ、それは問題ない。
他の人の仕事まで増やされると迷惑になってしまうんです。
こんなことがありました
以前に職場内の研修の講師を任されたことがありました。
通常業務の他に講義の内容を考えたり、パワーポイントを作ったりと、この時点でも仕事が増えてうんざりでした。
まあそれは仕方ないとして、ある日突然全く関係のない部署の仕事好きがやってきてこう言いました。
「研修の講師やるんだって?だったら講義の中で新型コロナの影響について触れた方がいいよ。そうするべきだよ。」
彼はよく「した方がいい」という言い方をします。
「しないといけない」というものではありません。
あくまで「した方がいい」レベルです。
裏を返せば、「した方がいい」は「しなくてもいい」です。
ですが、その仕事好きの影響で新型コロナについても講義に取り込むことになりました。
「しなくてもいい」ことをやりました。
このやるせなさの要因たるや?
世の中の人は2種類に分かれる
仕事好きな人と仕事が好きじゃない人の2種類の人がいます。
だいたいの人は仕事好きじゃないですね。
生活するのに必要なお金を稼ぐために仕方なく仕事をしている人たちです。
私はこちら側です。
一方、仕事が好きな人がいます。
こういう人は、自ら進んで仕事をしたり、バリバリ残業をしたり、仕事関係の資格の勉強に励んだりと生活の中心を仕事に置くといったプライベートより仕事優先のスタイルであったりします。
プライベートを犠牲にして時間や労力を仕事に注ぐことに抵抗がありません。
仕事好きの人の職場での影響力
仕事をする場である職場においては、仕事好きの人は重宝されます。
それは当然ですよね。
仕事好きで積極的に仕事をする人と、仕事嫌いでダラダラ仕事してる人とがいたら、社長目線で見れば、仕事好きの人の方が有用なのは明らかですよね。
他の社員にとってもよく仕事してくれる人は助かる存在です。
結果、仕事好きの人の方が出世します。
職場内で評価を得て、影響力や発言力が増していきます。
ここまではいいんです。
ここからが曲者なんですよ。
出世すると管理職になって実務はせず、命令や指示をする立場になるんですね。
となると、先の研修講師のエピソードで出てきた仕事好きのように、「しなくてもいい」「した方がいい」レベルのことまで命令してやらせるようになります。
本人は時間や労力を仕事に突っ込むことに躊躇ないので、こちらの都合などお構いなしに「しなくてもいい」ような仕事までするように命令します。
また、仕事好きは、実績もあり、職場で一定の評価を得て影響力があります。
私のような仕事嫌いよりよほど信頼されています。
そのため上司でもない人のアドバイスにより、新型コロナの件も講義内容に取り込まざるを得なくなりました。
「しなくてはいけない」と「した方がいい」との間には
仕事好きの言ってることは間違ってはいません。
「した方がいい」のは正しいです。
ないよりあった方がいいです。
その点については正しい。
ですが、先に述べたように「した方がいい」ことは「しなくてはいけない」ことではありません。
「しなくてもいい」ことなんです。
「した方がいい」ことで、大方の人がやってないことなんて山ほどあります。
例えば、勉強。
英語でも法律でもITでも簿記でも何でもいいです。
これらの勉強は「した方がいい」ということはみんな知ってます。
ですが実際に勉強している人は、ほんのひと握りです。
今挙げた4つ全て勉強している人はもっと少ないです。
「しなくてはいけない」と「した方がいい」(≒「しなくてもいい」)の間に明確な線引きはありません。
電車の優先座席を例にとって考えてみましょう。
その昔、優先座席というものはありませんでした。
ですが、高齢者の方に座席を譲る方がいいよね、ってことで優先座席が始まりました。
その後、障がい者の人、ケガをしている人、病気の人、妊婦さんにも座席を譲った方がいいよねってなりました。
立ちっぱなしが辛い人に座席を譲ろうという流れですね。
でも辛さって人それぞれですよね?
高齢者と言っても70歳と90歳じゃ体力に差があるので辛さが違いますよね?
また同じ70歳の中でも体力に違いありますよね?
また障がい者の中でも、ケガしてる人の中でも同じように辛さの度合いって違いますよね?
だれを優先するか明確にするために優先順位を「つけた方がいい」ですよね?
一見しても辛さの度合いってわからないので、数値化「した方がいい」ですよね?
じゃあジャンルの違う辛さを平等に評価するために数値化の基準を「作った方がいい」ですよね?
こんなふうに「した方がいい」ことなんて増やそうと思えばいくらでも増やせるんですよ。
でもこんなことしようと思う人はいませんよね?
労力に比して効用が少ないからですね。
私の時間や労力は有限です。時間や労力を何に割くかは私が決める。
仕事好きの人には時間や労力が有限であるという視点が抜け落ちているような気がします。
私の時間や労力は有限です。
私は仕事よりもプライベートの時間を優先したいです。
有限である私の時間や労力を何に割り当てるかは、私の選択に任されるべきではないでしょうか?
仕事はせざるを得ません。
生活にはお金がかかりますから。
人生において仕事に時間と労力を割くのは不可避です。
職場では仕事をする人が重宝されるので、仕事に時間と労力を割くべきだという意見が通りがちです。
ですが、職場という単位ではなく人生という単位で見れば歪んでませんか?
人生において、有限な時間や労力を何に割くかは各個人が決めるべきものです。
人生の中ではいろいろな時間があります。
仕事をしている時間
家族と過ごす時間
恋人と過ごす時間
ひとりでいる時間
どの時間を大切にしたいかは、自分以外の誰かが決めるものでも決めていいものでもありません。
時間は有限です。
自分にとって一番大事にしたい時間を優先していきたいですね。