【徹底検証!】地方公務員はiDeCoに加入すべきか?本当にメリットありますか?その2【iDeCoとは?】
地方公務員がiDeCoに加入すべきか否かを検討します。
大まかな流れは下記のとおりです。
本日の記事では、上の1・2について解説していきたいと思います。
1.iDeCoとは?
「老後2000万円問題」とiDeCo
すみません、急に物語が始まってしまいました^^
マスヲさんみたいな方も多いのではないかと思います。
「老後2,000万円問題」は聞いたことがあるし、不安だ。
その解決策としてiDeCoという制度があることも知っている。
でも投資と聞いて、元本割れとか怖いし、そもそも制度自体よくわかってないので、iDeCoを始める気にならない。
簡単にいうとこんな感じだと思います。
改めてiDeCoとは?
iDeCoの公式チラシからの引用です。
イデコは、自分で決めた額を積み立てながら、その掛け金を自分で運用していくことで将来、公的年金にプラスして給付を受けられる年金制度(個人型確定拠出年金)です。
(出典:iDeCoチラシ)
基本的には年金なんですね。
どんな年金かというと自分で自分のためにお金を積み立てて作る年金です。
個人型確定拠出年金とカッコ書きしてありますね。
「確定拠出」は積み立てる掛金が決まってるという意味です。
こういう難しい言葉は、ひとまず省いて「個人型年金」という理解でいいと思います。
個人型年金を定期預金で作った場合とiDeCoの比較
個人型の年金ってどんなものかイメージするため、ここで定期預金で個人型年金を作ってみるとしましょう。
例えば、下記のような条件の定期預金で自分の年金を作るとします。
積立額(掛金) | 1万円/月 |
期間 | 30年 |
利率 | 0.5% |
年間12万円を30年間積み立てるので、利子抜きの元本が、
12万円×30=360万円
になります。
金利は、計算は省きますが、年複利で約22万4,000円になります。
よって、合計382万4,000円が未来の自分への年金となります。
iDeCoも基本的な考え方としては、定期預金で年金を作るのと同じなんですね
どこが同じかと言うと
- 毎月一定額積み立てる
- 長期の運用
といった点です。
個人型年金のイメージはこんなところです。
では、定期預金とiDeCoでは何が違うかと言うと下記の表のとおりです。
定期預金 | iDeCo | |
a.運用方法 | 定期預金 | 投資信託等 |
b.元本保証 | あり | なし |
c.掛金 | 課税される | 所得控除あり |
d.運用益 | 課税される(利子所得) | 非課税 |
e.受取時 | 課税されない | 所得控除対象 |
f.運用期間 | 10年以内が多い | 早くて60歳まで |
g.解約 | 中途解約は利率が変わる | 原則解約できない |
ひとつずつ見ていきますが、先に結論を言いますと、定期預金とiDeCoの違いは、税優遇、これに限ります。
a.運用方法
定期預金は定期預金ですね^ ^
何も説明していませんが、ご理解いただけると思います。
iDeCo=投資
というイメージは強いですが、iDeCoの運用方法で定期預金を選択することもできます。
b.元本保証
定期預金はもちろん元本保証されます。
iDeCoの場合、投資信託で運用すれば当然元本保証はされません。
ですが、iDeCoでも定期預金で運用すれば元本保証されます。
c.掛金
iDeCoであれば所得控除されます。
所得控除と聞くと、「あれか、年末調整のときの保険のやつ」くらいのイメージで、「そもそも控除って何よ?」って方も多いと思います。
所得控除というのは、その分税金がかからないという感じです。
具体例を挙げてざっくり説明します。
例えば、アナゴさんの年間所得が300万円だったとします。
所得税率が10%だったとします。
- このまま所得控除が何もなければ、所得税は、
300万円×10%=30万円
になります。 - アナゴさんのiDeCoの掛金が年間12万円だとすれば、この1万円は所得控除になるので、所得税は、
(300万円-12万円)×10%=28万8,000円
になります。
12万円が所得控除になれば、12万円×税率分の税金が減額されるということです。
税額の差は1万2,000円ですね。
どうですか?
1万2,000円は大きいですか?小さいですか?
例に出したアナゴさんの場合、税率が10%なので税金が1割引きになっています。
年間所得が400万円だと所得税率は20%になりますので、2割引きになります。
同じ年間12万円の掛金でも2万4,000円お得になるというわけですね。
さらに言うと住民税も減額になります。
住民税は各自治体にもよりますが、大体のところで税率は10%です。
なのでさらに1万2,000円お得になるというわけですね。
d.運用益
運用益というのは運用して得た利益のことです。
例えば、月1万円積み立てで、年5%ずつ増えて、30年続けたとします。
元本は先ほど計算したとおり360万円です。
運用益はいくらになるかと言うと、なんと約459万円になります。
元本を超えるんですね。
これがiDeCoなら非課税ですので、459万円から1円も税金で差し引かれることはありません。
ですが、これが一般的な株式で運用益459万円で売却したら、そのうち20%が税金で持っていかれます。
92万円くらいの税金ですね。
ざっくり459万円が367万円になります。
定期預金の利子が年5%だとしましょう。
利子所得にも所得税がかかっているのはご存じですか?
利子所得にかかる税率は、一律20.315%です。
これを考慮すると、運用益(利子の合計)は約326万円になります。
税金を差し引いた後の各運用益をまとめます。
- iDeCo 459万円
- 株式運用 367万円
- 定期預金 326万円
同じ掛金で元本が同額でも、税金のあるなしでこんなに差がついてしまいます。
e.受取時
定期預金を解約するときに課税はされません。
通帳に記載されている金額がそのまま手に入ります。
iDeCoの場合はまず、受け取り方が3パターンあります。
-
定期的に受け取る(年金)
-
一括で受け取る(一時金)
-
1.と2.を組み合わせて受け取る
1.は公的年金と同じような受け取り方ですね。
2.はいわば退職金ですね。
3.は一部退職金として受け取って、残りは年金のように分割で受け取るというイメージですね。
いずれの受け取り方がにしても、課税されないか減税される優遇措置があります。
特に退職所得控除は通常より控除額が大きいので、一括受け取りの方をおすすめされることが多いと思います。
ただし、退職金の額や公的年金の額、勤務年数によっては税優遇の措置が受けられないことがあります。
税優遇が受けられない方がレアだと思いますので、今は詳しくは触れません。
が、地方公務員はこのレアなケースに当てはまるかもしれません。
詳細は後日に譲りますね。
お楽しみに!
f.運用期間
定期預金は任意の期間が設定できます。
自分で自由に決められるってことですね。
自由と言っても大体10年以内が多いようです。
iDeCoは60〜75歳にならないと受け取れません。
iDeCoを始めた年齢から早くて60歳まで、遅くとも75歳までが運用期間になります。
g.解約
定期預金の場合、満期になる前に解約した場合(中途解約)、定期預金の利率が適用されることは少ないようです。
定期預金は、普通預金よりも有利な利率が設定されているものですが、中途解約すると不利な利率で再計算されるというわけですね。
定期預金のうまみがなくなってしまいます。
他にも解約手数料を取られるかもしれませんが、その辺りは金融機関によります。
iDeCoの場合は、60歳まで原則解約できません。
解約はよほどの条件をクリアしないとできません。
一度始めたら解約できないと考えた方がいいです。
ただ、掛金を減らすのはできるので、途中で仕事を辞めたとかで支払いが厳しくなったら掛金を0にすることはできます。
今まで積み立てた分を取り崩すのは難しいと考えましょう。
積み立てた分は何がなんでも60歳までホールド(保持)し続けないといけません。
いわゆる鬼ホールドですね。
資金拘束が強いとも言います。
2.iDeCoのメリット・デメリット
iDeCoのメリットやデメリットを検索すれば、たくさん情報が出てくると思います。
iDeCoのデメリットと言えば、
- 元本割れ
- 鬼ホールド
- 各種手数料がかかること
です。
元本割れと鬼ホールドについては、上記で説明しました。
手数料についてはまだ言ってなかったですが、こちらについてはネット証券を利用すればかなり抑えられるものです。
メリットは、税優遇ですね。
こちらも上記で説明したとおりです。
では、もし税優遇が受けられなかったらどうでしょう?
iDeCoにする理由がなくなってしまいますね。
次回はこの辺りのことについてお話ししたいと思っています。
長々となりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。