【わかりやすく解説!】「インボイス制度に関するQ&A」の解説その4~問25(公共交通機関特例の3万円未満の判定単位)
いつも参考にさせていただいている
消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A
こちらを解説していきたいと思います。
こちらのQ&Aは適格で丁寧に説明してくれていて、とてもいいんですが、
- それでもわかりにくい
- 言い回しが難しい
- 分量が多すぎて読む気になれない
そんな声もありますので、さらにかみ砕いた解説をしていきたいと思います。
問1から順番に解説というわけではなく、特に重要そうなものからピックアップしていきたいと思います。
問25(公共交通機関特例の3万円未満の判定単位)
3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、どのような単位で判定するのですか。
(出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問25(公共交通機関特例の3万円未満の判定単位))
まず前提からご説明しますね。
適格請求書発行事業者は、取引の相手方から交付を求められたとき、適格請求書を交付しなければならないと義務づけられていました。
ただし、適格請求書の交付が難しい場合、この交付義務が免除されます。
そんな例外的な取引がいくつか規定されていました。
その交付義務が免除される取引のうちの一つが、「3万円未満の公共交通機関による旅客の運送」でした。
問25の質問はこのことについて尋ねているんですね。
言い換えるとこうですね。
3万円というのはどんな範囲で考えればいいですか?
どんなくくりで3万円を判定すればいいですか?
その答えがこちらですね。
1回の取引の税込価額が3万円未満かどうかで判定します(インボイス通達3-9)。したがって、1商品(切符1枚)ごとの金額や、月まとめ等の金額で判定することにはなりません。
1回の取引が単位だと言っています。
切符1枚ごとではないと明記されていますね。
ということは、例えば、新幹線に乗るときに乗車券と特急券別々に発行されたとしてもその合計額で3万円未満かどうかを判断するということですね。
さらに具体例がQ&Aに記載されています。
【具体例】
東京‐新大阪間の新幹線の大人運賃が 13,000 円であり、4人分の運送役務の提供を行う場合には、4人分の 52,000 円で判定することとなります。
これは盲点かもしれません。
例えば、出張で4人の社員が東京‐新大阪間を新幹線で移動したとします。
この場合、1人あたりの料金が3万円未満であっても、4人の合計額で3万円未満か判断します。
この場合だと適格請求書の交付が必要ですね。
極端な話、近距離の移動でも、1人あたり300円で100人が出張したら、適格請求書が必要になります。
なお、特急券の話が出たのでこれに関連して問26もご紹介します。
問26 特急列車に乗車するために支払う特急料金や駅構内に入場するために支払う入場料金は、公共交通機関特例の対象になりますか。
(出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問26(特急料金・入場料金))
これに対する答えとしては、以下のとおりです。
ついでに問24もご紹介します。
(出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問24(公共交通機関特例の対象))
こちらに対する回答が以下のとおりです。
- 「① 船舶による旅客の運送」(問24)
- 「② バスによる旅客の運送」(問24)
- 「③ 鉄道・軌道による旅客の運送」(問24)
飛行機は含まれませんのでご注意ください。
本日は以上になります。
お付き合いくださいましてありがとうございました!