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【わかりやすく解説!】「インボイス制度に関するQ&A」の解説その5~問19(適格返還請求書の交付義務)

いつも参考にさせていただいている

消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A

こちらを解説していきたいと思います。

こちらのQ&A適格で丁寧に説明してくれていて、とてもいいんですが、

  • それでもわかりにくい
  • 言い回しが難しい
  • 分量が多すぎて読む気になれない

そんな声もありますので、さらにかみ砕いた解説をしていきたいと思います。

問1から順番に解説というわけではなく、特に重要そうなものからピックアップしていきたいと思います。

問19(適格返還請求書の交付義務)

返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格請求書発行事業者は、何か対応が必要ですか。【令和2年9月改訂】

【答】
適格請求書発行事業者には、課税事業者に返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書の交付義務が課されています(新消法57の4③)。

(出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問19(適格返還請求書の交付義務)

適格請求書ではなく適格返還請求書についてです。

適格返還請求書って何でしょう?

例えば、返品値引きなどの場合、いったん商品を売ったけどお金を返すことってありますよね?

そういう場合に適格返還請求書が必要になります。

具体例でご説明しましょう。

[設例1]

  1. あなたが八百八と言う八百屋を経営していたとします。
  2. 農家のコロスケさんからトマト100個仕入れました。
  3. あなたはコロスケさんにトマト代10,000円(1個100円)を支払いました。
  4. あなたがトマトを検品していたら10個のトマトが虫に食われて売り物にならないことがわかりました。
  5. あなたはコロスケさんに10個のトマトを返品しました。
  6. コロスケさんからトマト10個分の代金1,000円が返還されました。
  7. あなたもコロスケさんも適格請求書発行事業者です。

この場合、コロスケさん適格返還請求書を交付する義務があります。

私は「返還」を「請求」するのは八百八の方なので、八百八が適格「返還請求」書を交付するのかと思っていたので、同じような勘違いをしている方は要注意です。

適格返還請求書は、「返還を請求する書類」ではなく、「いくらいくら返還しますよと記載された書類」と理解した方がいいかもしれません。

なお、適格請求書の交付義務が免除される場合と同じ場合であれば、適格返還請求書の交付も免除されます。

3万円未満の公共交通機関の場合などですね。

問39(適格返還請求書の記載事項)

適格返還請求書の記載事項について教えてください。

【答】
適格請求書発行事業者には、課税事業者に売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書を交付する義務が課されています(新消法57の4③)。
適格返還請求書の記載事項は、次のとおりです。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 売上げに係る対価の返還等を行う年月日及びその売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日(適格請求書を交付した売上げに係るものについては、課税期間の範囲で一定の期間の記載で差し支えありません。)
③ 売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
(売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
④ 売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
⑤ 売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等又は適用税率

 (出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問39(適格返還請求書の記載事項)

次に記載事項ですね。

これも決まっています。

ちょっとごちゃついてるので、記載事項を整理するとこうなります。

① 適格請求書発行事業者名と登録番号
② 販売年月日と返金した年月日
③ 何を売ったかその内容
④ 税率ごとに区分して合計した返金額
⑤ 返金額に係る消費税額等又は適用税率

こんな感じですね。

②販売年月日に関してはこんな問があります。

問40(売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日の記載)

適格返還請求書には、「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」を記載する必要があるとのことですが、日々、商品の返品が行われているため、個々の商品について正確な販売年月日を把握することが困難です。そのため、例えば、10 月中に返品を受けた商品は、前月である9月中に販売したものの返品として処理している場合には「9月末日」を、同商品について最後に販売したものの返品として処理している場合には「最終販売年月日」を、それぞれ「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」として記載することも認められるでしょうか。【令和元年7月追加】

どういうことかと言うと、Amazonとか大手の家電量販店をイメージしてください。

  • 毎日返品がめちゃくちゃたくさんあります。
  • 返品された日はわかりますが、販売日を把握するのは困難です。
  • なので販売日は返品された月の前月の末日ということにしています。
  • 認めてもらえますでしょうか。

毎日100件も200件も返品があったらとてもじゃないですが、さかのぼって販売日を特定するのは難しいですよね。

これに対する答え①がこちらです。

課税期間の範囲内で一定の期間の記載で差し支えありませんので、例えば、月単位や「○月~△月分」といった記載も認められることとなります。

課税期間さえ間違えていなければOKと言う感じでしょうか。

特定の日でなくて幅を持たせた期間でもいいよと言ってくれています。

次に答え②です。

他方、返品等の処理を合理的な方法により継続して行っているのであれば、当該返品等の処理に基づき合理的と認められる年月日を記載することとしても差し支えありませんので、ご質問のように「前月末日」や「最終販売年月日」を(略)記載することも、そのような処理が合理的な方法として継続して行われているのであれば、認められることとなります。

合理的」で「継続して行っている」方法であれば前月末日で認められるとしています。

合理的」と「継続」がポイントですね。

 

本日は以上になります。

お付き合いくださいましてありがとうございました!